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西宮市とはいうものの、船坂という僻地にポツリと存在している文化的香りのするカフェ ( 公式サイト )。クラシック音楽の演奏会とかそういったイベントと、自然食と、おいしい本格的なコーヒー。私はこういうものは都会にあったらまず忌避しがちであるけれども、何十分歩いても文化はもちろんのこと飲食店にさえ出会えない田舎の地で空腹にさいなまれているときにいきなり出くわしたら拒否できない。完全に降参である。
甲子園にあった店が比較的最近こちらに移ってきたらしく、Google Earthの映像だとまだ駐車場も含めて工事中で、建物自体が存在していなかった。つまり、昔からあった館を改築したという類のコンセプトではなく、外見も内装も現代的でシンプルかつ重厚である。私はカウンター席に座ったのだが、席もテーブルも、その向こうの設備もきわめて気持ちいいものだった。それで、ドイツ語のBergのつもりなら「ベルグ」じゃなくて「ベルク」にしてほしい、というような感想もとりあえず棚上げにした。
ランチ・タイムの料理は上品でおいしいものだったし、コーヒーは文句の出ようがないもの。これで1500円は安い。半径数キロ以内に住んでいる、西洋文化の香りに飢えている奥様方が、ちょっとした会食のために集まってくるという図が容易に想像できるセッティングだった。
なんだ、俺も結局はこんなものが好きなのか、と思ってしまったが、やっぱりそうなのだ。砂漠のオアシスという陳腐な比喩がすぐに思い浮かんだほどわかりやすく文化的であり、私は哀しいほどそっち側の人間なのであった。
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