2010/10/29

東北姑娘 - 池袋東口にある中国東北料理の店

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池袋東口の東通り沿いにある中国東北料理の店。「東北姑娘」は「ドンベイグーニャン」と読ませる。「姑娘」」は若い女性を意味する言葉。

西口の中国料理店に慣れ切ってしまった私は、この店のメニューに日本語の料理名しか載っていないことを新鮮に感じた。店の作りや立地もあわせて考えると、この店は中国人ではなく近所の日本人の客をターゲットにしていると思われる。

料理の方は、標準的な東北料理をいくつか頼んでみたけど、いまひとつぴんと来ない。なにかご馳走を食べに来たという感覚が生じないのだ。どうせほとんどが家庭料理なのだからそれでいいとも言えるけれども。ランチとか宴会料理などを無難においしく作っているのかな、という感じ。

これだと「池袋西口の中華料理店」のマップに載せるべきかどうか迷う。いつかもう一度行ってみようかと思う。

硯家 本店 - 池袋東口のうどん屋

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池袋東口の、ジュンク堂の裏のわかりにくい場所にあるうどん屋。夜は居酒屋として使われるため、壁にはたくさんの小料理のメニューが貼ってある。酒も含めて、素材の産地とか由来にこだわりがある様子が伝わってくる。試しに牛すじを頼んでみたら、盛りは雑ではあるものの、びっくりするほどおいしかった。

うどんは中太の、それほどコシの強くないつるつる行けるタイプ。すぐ近くにある「うちたて家」と対照的なのが面白い。私はどちらも好きである。武蔵野うどんのような野趣に富むものではなく、上品にまとまっているという感じ。

小料理屋の側面も持っているだけに、うどんの食べ方にもいろいろと工夫を凝らしているようで、いろんなメニューがある。汁うどんを試してみたかったので肉うどんを頼んだ。濃いめの関東風のスープで、私の好みにはちょっと甘すぎるかなという感じだが、これは肉うどんだったせいかもしれない。全体として、非常にグレードの高いうどんという感想を持った。

すぐ近くには「丸亀製麺」もあるので、このあたりは意外にも池袋におけるうどんの激戦区である。どれもまったくタイプが違ううどんだというのが面白い。

ひかりや - 神戸・三宮のお好み焼き屋

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三宮駅近くの高架下にあるお好み焼き屋。

お好み焼きは、もちもちしてしっかりしているタイプのもので、好みである。しかしそういうの以上に、絵に描いたような「関西で粉ものを食べる」という体験をできるいいお店だった。昔からやっているようだが、いい意味で「重厚な歴史」を連想させない古びた感じがある。

たこ庵 - 神戸・三宮の明石焼きの店

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神戸の三宮駅近くにある明石焼きの店 ( 公式サイト )。ここの明石焼きはあっさりとしていておいしかった。たぶんこういう路線が私の好みにあっているだろうな、と思った。ただあっさり味になればなるほど、飲食店で一つの料理として出すことの意味がわからなくなってくる気もする。

あと、私の好みを突き詰めていくと、むしろ「すいとん」のようなものに近づいていくのかもしれないな、と思った。あるいはスープ・パスタとか。

博多 華味鳥 博多駅前店 - おいしい水炊き

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福岡での最後の食事は水炊きにしよう、ということで博多駅からすぐのところにある「華味鳥」へ ( 公式サイト )。美味しかったんだけど、お店の人から「東京にも支店があるんですよ」と言われて少々ガクッときたことは否めない。銀座の博品館に入っているようだ。

博多の水炊きは味のついた白濁スープで鶏肉を煮る。それが日本各地に広がって、いろいろなバリエーションができたというのが通説のようだ。私の実家では昆布だしのお湯で煮て、ポン酢で食べる方式のものを「水炊き」と呼んでいた。しかしこれって結局のところ、鶏肉を鍋で食べるときにどうやって食べますか、という話に過ぎない。私は一時期、豆乳鍋で鶏肉を食べるのにものすごくハマっていた時期があったんだが、考えてみるとあれはこの博多風の水炊きと似ている。

で、この店の水炊きは文句なしにおいしかった。ただ、そのおいしさの大部分は特製のスープに由来していると思うから、通販の水炊きセットを買って、安い鶏肉を大量に買ってきて煮れば、同等のおいしさをもっと安く体験できるのではないかと思う。さらにいうと、一番美味しかったのはキャベツだったので、鶏肉を煮たあとのスープを薄めて小分け冷凍し、キャベツ煮に利用するのがよさそうだ。しかしそれだったら、そこらで豆乳を買ってきて、鶏肉を投入して煮込んだ汁でキャベツを煮れば、おいしさという点ではそんなに違わないものができるんじゃないだろうか。

鍋のようなシンプルな食べ物には、そんなことを思わせてしまう危うさがある。

2010/10/28

加辺屋 川端本店 - 博多で食べる出雲そば

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福岡まで行って出雲そば。博多ラーメンが続いて胃がおかしくなり、とにかくあっさりしたものを食べたくなってここに入った。これが非常においしくて大当たりだった。

皮ごと挽くため黒めの色をしている出雲そば。それの標準的な食べ方である「割子そば」は、そばが盛られている多段の漆器に薬味とつゆを入れて食べるというもの。そのすべての要素がこのときの私のニーズにすばり応えてくれた。特に良かったのは、つゆが甘くないということ。もみじおろしと一緒に食べることで、むしろ辛みが出てくるような味付けである。

そば湯は最初から別のお椀にたっぷりと入れて出してくれるので、これにつゆを直接入れて飲むことができる。そば湯が大好きな私にとっては理想的なサーブのしかただった。

一蘭 天神西通り店 - この店のみの特別メニューがある店

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「一蘭」 ( 公式サイト )の天神西通り店では、この店限定の「釜だれとんこつラーメン」のみを出している 。しかし私は「一蘭」の他の店に入ったことがないので、この店の普通のラーメンがどんなものなのかを知らない。そもそもこの看板を見て、これって池袋の文芸座近くにもあったよな、とぼんやりと思い出したぐらいに事情に暗いのだった。

客が座る席の間に仕切りがあってパーソナル・スペースが確保されていること、店員と喋ったり目を合わせたりしなくても注文から替え玉のリクエストまでできることなど、対人恐怖症の人向けと言っていいようなコンセプトでやっていることは知っていたのだが、この店でこれを初めて体験しての感想は、それほどのものではないというものだった。たまたま隣にやたら元気なおっさんが座って、連れの人や店員とひっきりなしに大きな声で話をするものだから、「静謐の中でラーメンと向き合う空間」という私の抱いていたイメージはあっけなく消えた。それで良かったんだが。

で、問題の「釜だれとんこつラーメン」。重箱状の容器の底の方が熱せられて、スープが冷めないようになっている。麺は普通の細麺。問題はスープで、しょうがの味なのか、何か漢方薬っぽいにおいと味があって、しかも甘みがあるから、舌にねっとりと残る感じでどうも食べづらい。なにか作り間違えたのか、と疑ったほどだった。これほど脂っこくなければ、韓国か中国あたりの薬膳と言われたら信じてしまいそうだ。そういうわけで、これはもう単純にあのときの私の舌には合わなかった、ということで。

久留米 大砲ラーメン 天神今泉店 - 博多にある久留米ラーメンの店

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正直言うと、これが久留米ラーメンの店だと知らずに入ったし、そもそも久留米ラーメンのこともあまりよく知らない。濃厚なとんこつスープと、博多ラーメンよりも若干太いストレート麺の組み合わせ ( 公式サイト )。「博多ラーメンではないとんこつラーメン」と言われたときに連想するそれ、と言ってもいいぐらい。

私が注文したのは、あっさりしている方の普通のラーメン。これとは別に、こってりしている「昔ラーメン」というのがある。やはりここ最近はあっさりめが主流になってきているということらしい。実際、外見の割にはすんなりと食べられた。

長浜ナンバーワン 祇園店 - 福岡・博多の博多ラーメン

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長浜の有名な屋台の店「ナンバーワン」が出した店舗ということらしい。これはさすがにおいしいと感じた。なぜなのかと考えてみると、たぶんスープがそんなにしつこくなかったからである。あとから調べると、これが長浜ラーメンの特徴とのこと。逆に言うと、そうでない博多ラーメンはこってり豚骨スープになるのが普通ということなのだろう。

今回思ったのだけど、博多ラーメンのスープは飲むもんじゃないね。どの店でもほとんど飲まずに切り上げた。もちろん麺を食べるときにスープも一緒に胃の中には入っているわけだが、それ以上を無理に飲む気になれない。

博多成金ラーメン - 博多の祇園駅近くの博多ラーメン

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初めて行く福岡では博多ラーメンをいろいろと食べてやろうと思っていたのだが、結論を先に言うと、私はどうやら博多ラーメンがそれほど好きではないようだ。そういえば池袋にもいくつかお店があるのに足を運ぶことが少ないし、このブログでもいままでで取り上げたのは「博多奴」だけ。今回は特に胃に来た。あまり続けて食べるものではない。

この「博多成金ラーメン」は、夜遅くに博多駅に着いて、そこらを徘徊していたときに見つけて入った店である。まあ、おいしい。というか普通にちゃんとした博多ラーメンだ。店内中央のテーブルに大きなボウルがあって、そこに辛子高菜やキャベツの辛味噌あえなどのおかずが盛られており、食べ放題になっている。これがラーメンよりもうまい。むしろこれとライスの組み合わせで一食行きたいぐらい。

辛唐家 楠木町店 - 広島風つけ麺

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広島のJR横川駅近くにある広島風つけ麺の店 ( 公式サイト )。広島風つけ麺なるものの存在を知ったのは、今回広島に行って、つけ麺屋の看板に記されているのを見てのことである。で、適当にこの店に入ったので、ここで食べた広島風つけ麺が一般的なものなのか、この店独自の工夫がどこにあるのかなどはわからない。以下、さきほどインターネットで調べた事柄を踏まえての一般的な説明。

麺はこんな感じ。

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硬めに茹でた細麺の上に、キャベツ、海苔、ゆで卵、叉焼などの具が大量に載せられている。これを次のようなつけ汁で食べる。

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辛味噌と酢をベースにしてゴマなどを加えた、酸っぱいつけ汁である。麺の食感に引きずられて、冷麺というよりは冷やし中華を連想させる食べ物になっているが、上に載っている野菜などの具は普通の冷やし中華よりもずっとボリュームがある。茹でたキャベツがこのつけ汁にマッチしていて、とてもおいしい。これ、キャベツをメインにした料理にした方がいいんじゃないのか、と思ったぐらいだ。

食べ物の方向性としては、中国東北料理の「東北大拉皮」に似ているともいえる。これとあれの間に、もっといい着地点があるような気がするんだが…

ちなみにつけ汁は辛さが5段階になっていて、私は最初、下から2つ目の「普通」の辛さにしてもらったのだが、後から変更も可能だということなので、途中で一番辛いのにしてもらった。しかし、ネイティブな四川料理に慣れた私は、一番辛いのもまったく問題なく食べられた。これは問題かもしれないな、と我ながら思った。

東京でも、冷やし中華に代わる食べ物として売り出せば人気が出るのではないかと思う。私はよく遭遇する、人工的な感じのする甘みの勝ったスープを恐れるあまり、冷やし中華はほとんど食べないんだけど、このタイプの辛味噌スープだったら問題なく食べられる。また、スープが最初からかかっていないから、自分で味の強さを調節できるのは大きなプラスである。この利点も「東北大拉皮」と共通している。

2010/10/27

焼くんじゃ - 広島のお好み焼き

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JR広島駅の駅近くのビル6階に、お好み焼き屋さんだけが十数軒入っている「ひろしまお好み物語駅前ひろば」というスペースがある。調べてみると、ここがオープンしたのは2006年のことだから、比較的新しめのコンセプトで作られた「食のテーマパーク」とでもいうべきもの。観光客が第一のターゲットだろうが、地元の人にも利用されているみたいだ。

開館時間直後に入ってみたところ、通路の両側にお好み焼き屋がひしめいていて、「へい、いらっしゃい」と声を掛けてくる。予備知識なしで来たものだから、どの店をどういう基準で選んで入ればいいのかまったくわからぬまま歩いて行くと、繁華街でキャバクラのキャッチの間を通り抜けていくような感覚になってくる。その緊張感に耐えられなくて、適当に入ったのがこの「焼くんじゃ」という店だった。

結論から言うと、広島風お好み焼きのことはいまだによくわかっていない。お好み焼きにそばが入っている、としか認識できていない。私は焼きそばは好きなほうで、粉もの屋に行っても頼むことが多いし、家でもときどき作って食べる。ただし、シンプルな塩味が好みだ。だから、お好み焼きのソースと一緒に出されると、せっかくの焼きそばがもったいないという気持ちになってしまうのである。

申し訳ないが、そういう一般的なことを書くしかないぐらい、この店のお好み焼きの印象は弱かった。決してまずくはないのだが。

珈琲ベルグ - 西宮船坂の文化的カフェ

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西宮市とはいうものの、船坂という僻地にポツリと存在している文化的香りのするカフェ ( 公式サイト )。クラシック音楽の演奏会とかそういったイベントと、自然食と、おいしい本格的なコーヒー。私はこういうものは都会にあったらまず忌避しがちであるけれども、何十分歩いても文化はもちろんのこと飲食店にさえ出会えない田舎の地で空腹にさいなまれているときにいきなり出くわしたら拒否できない。完全に降参である。

甲子園にあった店が比較的最近こちらに移ってきたらしく、Google Earthの映像だとまだ駐車場も含めて工事中で、建物自体が存在していなかった。つまり、昔からあった館を改築したという類のコンセプトではなく、外見も内装も現代的でシンプルかつ重厚である。私はカウンター席に座ったのだが、席もテーブルも、その向こうの設備もきわめて気持ちいいものだった。それで、ドイツ語のBergのつもりなら「ベルグ」じゃなくて「ベルク」にしてほしい、というような感想もとりあえず棚上げにした。

ランチ・タイムの料理は上品でおいしいものだったし、コーヒーは文句の出ようがないもの。これで1500円は安い。半径数キロ以内に住んでいる、西洋文化の香りに飢えている奥様方が、ちょっとした会食のために集まってくるという図が容易に想像できるセッティングだった。

なんだ、俺も結局はこんなものが好きなのか、と思ってしまったが、やっぱりそうなのだ。砂漠のオアシスという陳腐な比喩がすぐに思い浮かんだほどわかりやすく文化的であり、私は哀しいほどそっち側の人間なのであった。

宝塚いろは - 宝塚のお好み焼き屋

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JR宝塚駅の北口にあるお好み焼き屋 ( 公式サイト )。お好み焼きのお店ごとの違いがあまりわからない私ではあるが、さすがにこの店のは口にした瞬間に、そのふんわりした感触に強い個性を感じた。このあたりのお好み焼きとしてはたぶん価格がちょっと高めなのだが、その分、素材に工夫をこらし、準高級感を出すことに成功している、という感じ。この地域での人気店らしい。

店主の奥さんが元タカラジェンヌということで、店内には宝塚歌劇の写真やポスターがたくさん貼ってある。

道頓堀くくる 阪神百貨店梅田店 - 大阪・梅田の阪神百貨店の明石焼き

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大阪・梅田の阪神百貨店のフードコート「スナックパーク」にある。道頓堀に本店があるチェーン店である ( 公式サイト )。たぶんたこ焼きの方がメインなのだろうけれども、明石焼きもやっているから明石焼きを食べる。私はどちらかというと「ぶぶ亭」の方が焼き方も出汁も好きだけれども、これは単にあちらの方が食べ慣れているからであり、どうしてあちらを食べ慣れているかというと私が阪神ではなく阪急をよく使うからに過ぎない。

ただ、阪神百貨店の「スナックパーク」は、「いか焼き」もあることだし、他の地域からの旅行で大阪・梅田に来たときには立ち寄って損はないテーマパーク的なスペースである。立って食べなくてはならないが、安く少量のものを多種類食べることができる。

ぶぶ亭 阪急三番街店 - 大阪・梅田の明石焼き

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大阪・梅田の阪急三番街にあるたこ焼き・明石焼きのお店。明石焼きとは、明石では「玉子焼き」と呼ばれ、明石以外の地では「明石焼き」と呼ばれる食べ物で、たこ焼きと似た球形のものを出汁につけて食べる。この店では明石焼き以外にも、普通のたこ焼きと、たこ焼きグラタンを出している。

この付近で手軽に明石焼きを食べられる店として便利なので、来たときにはたいてい明石焼きを頼む。というか、ここのたこ焼きは普通のたこ焼きだし、たこ焼きグラタンは「うーむ」という感じの食べ物だ。で、肝心の明石焼きであるが、比較ができるほど他の場所で食べたことがないのでよくわからないけれども、たこ焼き形状のものを食べる方法としては、スタンダードなたこ焼きの食べ方よりも、こうやって出汁につけて食べるやり方の方が好みである。

外側の皮が柔らかく作られているので、箸でつまんで出汁につけ、一口かじったあとは必ず中身が崩れて、出汁の中に溶け出していく。これを最後に飲むのがまたよい。

阪神百貨店 いか焼き - 大阪・梅田の有名ないか焼き

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大阪・梅田の阪神百貨店のフードコート「スナックパーク」にある有名な店 ( 公式ページ )。いか焼きとは、出汁を入れて練った小麦粉の生地にイカの切り身を混ぜ込み、薄く焼いたもの。関西以外の地方だと、「イカ焼き」と聞くとイカの姿焼きを連想するだろうけれども、大阪ではこのように作られる「イカ入りチヂミ」と呼んでいいようなスナック的な食べ物である。

焼くときに上下を鉄板で挟んでプレスするので、「ソフトなイカ煎餅」と呼んでもよさそうなものになる。

祭りの屋台で買って食べるもの、野球場の外野席でビールを飲みながら食べるもの、そういうニッチの食べ物であり、この店で売っているいか焼きもそんなノスタルジックな気持ちを呼び起こす外見と味付けになっている。製法とプレゼンテーションをちょっと変えれば、朝鮮料理や中国料理のお店で「主食」の枠で出すことができそうだが、そうなったら人はこれほどには食べないだろうな。

はなだこ - 大阪・梅田の立ち食いたこ焼き

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大阪・梅田の新梅田食道街1階、人通りの激しい出入り口に面しているたこ焼き屋。写真に見える厨房の奥の方にあるわずかな出っ張りがカウンターとなっていて、そこで立って食べることが可能。

大量のネギの上にマヨネーズをかけた「ネギマヨ」がお勧めのメニューのようだ。たこ焼きの食べ方としてはオーソドックスではないのだろうけれども、甘いソースが載っているものよりもあっさりとして食べやすい。

今回、東京を離れて粉ものを集中的に食べてみたのだが、どうも自分の中でまだ基準が作れていない。どれもこれも、料理として出されたら、これでいいんじゃないの、と納得してしまうのだ。私に粉ものに対するこだわりがない、ということなのかもしれない。実際、チェーン店の「道とん堀」の標準化された感じがいいとか言っているぐらいだし。ただ、このブログで中国東北地方や中東諸国を含む、小麦粉料理の文化圏の料理を多く扱っていくうちに、そういえば関西地方の粉ものがもっと身近な小麦粉料理なんだよなと思い至って、少しまじめに考えてみようかと思った次第。

この文脈で考えると、この店の「ネギマヨ」のように(またもちろんのこともっとふつうの「ネギ焼き」のように)、粉ものの上にネギを載せるというアイデアは、朝鮮料理のネギチヂミや北京料理の葱油餅と根っこが同じであると言うことができるだろう。

そばの店 とり平 - 大阪・梅田のおいしい鴨うどん

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大阪・梅田の新梅田食道街1階にある、焼き鳥をメインにしている店のそば・うどん屋 ( 公式サイト )。朝早くからやっていて気軽に食べられるカウンターのみの小さな店である。そこらの立ち食いそば屋と比べるとさすがにちゃんとしているので、このあたりでの乗り換えのときにときどき立ち寄る。

ここで私がいつも食べるのは「鴨うどん」。店名に入っている蕎麦は食べたことがない。鴨はさすが鳥肉を扱っているだけあっておいしい。スープはちょっと濃いめで純関西風という感じではない。うどんは普通のうどん。これで450円。

食尚軒 - 新しくできた四川料理の店

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2010年5月に開店した四川料理店 ( 公式サイト )。ロサ会館並びの通りの2階。中国料理の赤い看板はやはりよく目立つ。

今回はランチ・タイムのランチ・メニューだったので暫定的な評価になるが、再訪しない可能性が高いのでこれが最終評価になるかも。結局のところ、私にとっては中途半端に思える店だった。

料理人もウェイターも客も私以外は全員中国人で、ネイティブっぽい店ではあったのだが、この立地とメニューを考えると、これはむしろ日本人から避けられていると解釈した方がいい。ランチ・メニューは麻婆豆腐とか青椒肉絲などの中華の定番料理が、おかわり自由のライスとスープ、そして食後のアイス・コーヒー込みで680円というもの。私が頼んだ麻婆豆腐はちゃんと「麻」が効いているものだったが、私が池袋の中国料理店に望んでいる乱暴さはなく、むしろ普通の中華料理店っぽい味だった。

公式サイトに載っているコースの内容や食べ放題の火鍋の価格設定などを見ると、日本人向けの低価格帯の中華料理店を目指しているように見える。会社帰りのサラリーマンのグループが気軽に飲み食いできる店、という感じだろう。

場所: ロサ会館すぐ南の2階
住所: 東京都豊島区西池袋1-37-15 西形ビル2F
電話番号: 03-3985-0321
営業時間: 昼から深夜まで。定休日なし。



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2010/10/20

カッパドキア - おいしいトルコ料理店

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池袋東口から明治通り沿いに南下して左側にある。トルコ料理店が珍しかった頃からあるお店だと思うのだが、駅から遠い場所にあるせいでなかなか行けない。西口の「デニズ」ができてからはなおさらである。

ここは料理が全体的に上品でおいしい。いい意味で、日本という地に根付いているエスニック料理店という感じがする。前菜のペーストにせよ、焼き物にせよ、パンにせよ、ていねいに作られていてワイルドさとは無縁だ。トルコ料理がワイルドでなくちゃならないという理屈はないので、それでいいわけだが。

俺の空 - 標準的な豚骨魚介スープのつけ麺

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高田馬場の有名店の池袋店ということらしい。いまとなってはスタンダードとなった豚骨と魚介のスープのつけ麺。麺は中太でつるつるしている。汁そばはまた違うものらしいが、食べたことがない。

写真の玄関の先すぐに食券売り場があり、そこから長い暗く照明があてられた廊下があって、その奥に10席ちょっとのカウンター席があるという凝った造りのお店である。なんか邪念が感じられるというか、ハードルを自分から上げていて、結局それを超えられていないという自爆タイプだ。

ここはすぐ近くに「狸穴」ができてしまったので、そちらが空いていたらまず間違いなくそちらを選ぶだろう、というぐらいの格差がある。どこからこの差が出てくるのかいまいちわからないけど、とりあえず麺はあまり好みではないし、スープは魚介の味が乱暴に入っているという感じがして、おいしく食べられなかった。

2010/10/19

蘭蘭 麻辣火鍋館 - 火鍋専門店ではなくなったジェネリックな中華料理

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池袋に4店ある北京料理のお店 ( 公式サイト )。ただしこの店は「麻辣火鍋館」を名乗り、四川料理専門店と銘打っている。

要町に向かう道に面していて、前を通るといつも客がいないことが気になっていたので、今回入ってみた。店の前の看板からわかるように、「火鍋館」を名乗っているもののアラカルトもやっていて、それが必ずしも四川料理だけではない。一時の火鍋ブームに乗ろうと新店舗を作ったが、思ったよりも早くそのブームが消えたので方針転換をしたのではないか、と思う。「楊 3号店」も、当初は火鍋専門店となっていたが、いつの間にかアラカルトを出す普通の店になった。

安くてポーションが小さい小皿料理があるので、いくつか頼んでみたところ、安定しておいしい。普通の中華料理店でこういうのが出てきたら大喜びするレベルのもの。ただ、ここ池袋だとあまりにジェネリックという感じがして、品数の少なさもあってわざわざ足を運ぶ意味はあるかというと難しい。池袋西口の東北料理のしつこさから逃れたいときには選択肢に入るかな、というていど。

あと、ここでは久しぶりに典型的な「中国人ウェイトレスの接客」を体験することができた。敬語を習得していないので、私のあとから入ってきた老婦人2人組との会話が、どっちが客でどっちが店員なのかわからない。

「済みません、ラーメンはありますか?」
「え? ラーメン? あるよ」
「じゃあそれをお願いします」
「はい、ラーメンね。あ、そうだ、飲み物はどうする?」

料理の皿をテーブルに放り投げる感じで置くのもなかなかである。私はこういうのがむしろ好きな方なのだが、あの客はもうこないだろうな。ちなみに「ディープ」な池袋西口とはいえ、こういうのは決して典型的なケースではない。昔の「知音食堂」は、人によっては日本語が通じず、ほとんどしゃべれないから、意思の疎通がそもそも難しかった。このケースのように中途半端な日本語がいちばん危ういのである。最近ではどの店の店員も日本語が上手で刺激という点ではちょっとがっかりだ。


その後、水商売の女性とその客らしき老人のカップルが隣のテーブルに来て、テレビでは中国大陸における反日デモのニュースが流れ、ちょっと微妙な空気になった、のは私の深読みかもしれない。


要するに、料理はあまり好みではないが、店としてはけっこう気に入ったようだ。


場所: 要町交差点に向かう道に面して右手
住所: 東京都豊島区池袋2-19-2 東仙ビル1F
電話番号: 03-5952-5708
営業時間: ランチタイムと、夕方から深夜まで。定休日なし。



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しゃんと - 相模大野の広島風お好み焼き

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相模大野の駅周辺を歩いていて、この店の看板を見て急に広島風お好み焼きを食べたくなったので入ってみた。カウンター席が少々と座敷席がたくさん。カウンターの前にある広い鉄板で手際よく焼いていく。

面白かったのは、麺としてうどんかそばを選ぶことができ、デフォルトでは0.5玉入るのだが、それをどれだけ増量しても値段は同じというシステムだった。 私は無茶はせず1玉にしたけれども、こういう面白いシステムはそれだけで興味を惹く。

吉好亭 - 相模大野のややネイティブ風中華料理

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相模大野の駅からちょっと離れたところにある中華料理店。ランチタイムに入ったため暫定的な評価になるが、ランチ・メニューとしては非常に優秀だった。680円でライスとスープとコーヒーがお代わり自由、タピオカのデザートもつくというコスト・パフォーマンスの高さ。しかしそれだけでなく、味がちゃんとしている。

店外に張ってあるコース・メニューの内容から、なんとなく南方系の料理の気がしたので、それっぽい感じの「豚肉のショウガ入り炒め」みたいな名前の料理を頼んだら、店員が「ショウガ焼きネ?」と復唱したので、これはしまったと思ったのだけれども、テーブルに来たのは日本の「ショウガ焼き」とは違うもので、「丁」に切った豚肉とネギなどの野菜をぶつ切りのショウガと一緒に炒め、とろみを付けた料理だった。

お代わり自由のスープも、私好みのとろみのついた卵ベースの「羹」で、 おいしかった。

というわけで、アラカルトやコース料理もおいしいだろうという予感がする。飲茶のコースもあるようだ。

めん屋 一期一会 - 新八柱駅近くの和風豚つけそば

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JR武蔵野線の新八柱駅、あるいは新京成線の八柱駅の近くにあるラーメン屋。和風豚つけそばとしているが、要するに豚骨をベースに魚介系の味を加えたスープということ。

私はつけ麺ではなくラーメンを頼んでみた。印象的だったのは玉ネギのみじん切りの多さで、それが辛みと甘みを押しつけがましくなく発揮している。麺は中太のものを硬めに茹でている。

とんこつベースではあってもこってりではなく、塩味をベースにしているものの極端なあっさり指向ではなく、魚介系のうまみでうまくバランスをとっているという感じで、とても美味しかった。他であまり感じたことのないバランス感覚である。何の気なしに入った店としては大ヒットだった。

一つ気になったのは、写真にもあるように塩系そばは一日限定30食という貼り紙があるにもかかわらず、ランチタイムをかなり過ぎた時間帯に入った私が普通に塩そばを注文できたこと。これはいったいどういうことなのか。

アサカベーカリー 朝霞台店 - 昔ながらの惣菜パン

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東武東上線から朝霞台で武蔵野線(北朝霞)に乗り換えるときに目に入る、駅周辺の飲食店の惨状が前から気になっていた。視野に入るのがチェーン店ばかりで、田舎駅のテーマパークという感じなのだ。

そういうわけで、駅から少し離れたところまで視野を広げて、どんなお店があるのだろうかと探した結果、地元に根付いていると思われるこのパン屋を見つけた。凝ったオシャレなパンはなくて、昔ながらの真っ白な食パンと、コロッケなどを挟んだ惣菜パン、いろいろ練り込んだ菓子パン系のものなど、ものすごく多くの種類を、だいたい100円超の値段で、小さい店舗で売っている。

私にとって惣菜パンは、このブログでも扱っているハンバーガーやサンドイッチと同じジャンルの食べ物なので、一緒に扱うことにしようと思う。食パンと菓子パンは食べないので守備範囲外。

この店の惣菜パンは美味しかったので、とりあえずのベースラインということで★3つにしておく。 すぐ近くにある公園か、駅前の広場でちょっと時間を作って食べるのが吉。

2010/10/15

BASSOドリルマン - 不便な場所にある名店

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住所は西池袋だが、JRなら目白駅が近いようだ。西武線なら椎名町駅。不便な場所にあるつけ麺店 ( 公式サイト )。ウェブカメラでどれほどの行列ができているのかを調べることができる。

王道のつけ麺で、うまい。自家製の太いストレート麺が特に良い。「前略っ。まるきゅう」 に麺を提供するというようなこともしている。

ただ、駅から遠い。これはつまらないことに見えて、やはりけっこう本質的なことではある。池袋西口のラーメン屋乱立地帯だと、よっぽどのことがない限り、目当てのラーメン屋に行列ができていたら、他の店に回ることになる。しかしここまで遠いと、わざわざ来たのだからと、並ぶという選択をすることもある。他方、そもそも遠いから行かないということが圧倒的に多い。そういう効果を狙ってここに店を構えているのは間違いない。

2010/10/13

楽楽屋 新店 - 高級イメージの新店

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「楽楽屋」の新店。「四季香 新館」と同じく、2つ目のお店が「高級指向」になったというケース。こちらの場合はこの前に新大久保にも店を出していたようだが。

東北料理の色が抑えられ、汎用的な「中華料理」っぽいコース料理がフィーチャーされている。出てきた料理は王道という感じでしっかりしており、ここでこういうものを食べる意味はあるのか、と思ったのは「四季香 新館」と同じ。そもそも「楽楽屋」はその泥臭さとおおざっぱさが魅力の1つだったのに、それがこの新店にはない。内装もなんか普通のお店っぽいし。

そうは言っても、料理はうまいのだ、これが。ここもやはり新店を出すにあたって、本土から満を持して腕利きの料理人を連れてきた、という雰囲気がある。そして在日中国人のあいだにはこういう店のニーズが絶対にあるはずである。私が入ったときには10組ほどいた客のなかで日本人は私のテーブルだけだったわけだが、特筆すべきなのは、他の中国人客たちがそんなにカジュアルな感じではなかったということだ。ちょっと気の張ったデートとか、家族の会食などの客っぽい。店の方も個室が複数あることを売りにしている。

そういうわけで、池袋西口の「ディープ」な感じを体験するには不適当だけれども、デパートの上階にあるような中華料理店に行くのであれば絶対にこっちがいい、というようなニッチの店である。池袋の中国料理シーンも徐々に変わりつつある。

場所: 池袋郵便局前交差点に面したビルの5F・6F
住所: 東京都豊島区西池袋1-38-5 セイコービル
電話番号: 03-6907-8717
営業時間: 昼から深夜まで


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2010/10/12

つけ麺 あまのや - 特徴のない流行りのつけ麺

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流行りの魚介系スープのつけ麺。店内にはくどいほどに、当店の麺の量は500gである、という貼り紙が貼られているのだが、出てきたものを見ると普通盛りという感じで、たぶん500gだとしたら茹でた後の重量のことを言っている。これは明らかに客の不信感を育てるだけだからやめた方がいいと思ったのだが…

実際に食べ始めてみると、これはそんなにたくさん食べられるものではないので、量が少ないことがむしろありがたかった。甘み強めの魚介系スープ。特に特徴なし。

味源 池袋店 - 北海道ラーメン

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「味源」という名前は他でも見かけるが、この店は小岩店と池袋店の2つを持つ企業が経営している ( 公式サイト )。北海道ラーメンの店である。味の種類は複数あり、メインとなるのは味噌ラーメンだと思われる。黄色い縮れ麺にスタンダードな味噌味のスープと普通の量のもやし。いろんな意味で、一世代前の枯れたラーメンという感じがする。

枯れているだけに安定しておいしい。しかし選択肢がたくさんあるなかであえてこの店を選ぶかとなると、難しいところだ。

野菜を食べるカレー camp express 池袋店 - JR池袋駅構内にあるカレー屋

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JR池袋駅の構内に最近できたカレー店。代々木にある本店の2号店ということらしい。キャンプで食べるカレーというイメージに沿って、内装や食器にキャンプ用品を使っている。売りの「一日分の野菜カレー」を含め、野菜を食べるカレーを打ち出している。

まあキャンプで食べるカレーというコンセプトだからこれでいいのだろうけれども、これを都会で食べるのはちょっと勘弁、という感じの料理だった。このキャンプ、たぶん誰かが担当分のスパイスを持ってくるのを忘れている。その結果、野菜エキスの入ったスープによる野菜煮込み、みたいなものになった。シチューと主張できるほど濃厚ではなく、スープと呼ぶには水分の量が少ない。

私はカレーよりもスープの方がずっと好きで、よく注文するし自分でもよく作るから、このジャンルだと評価は厳しめになる。コンセプト先行の店と判断した。

2010/10/11

佐世保バーガー 中野北口店 - 甘いハンバーガー

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中野の北口にある、現時点で都内に8つほどの店舗を持っているチェーン店の店舗 ( 公式サイト )。公式サイトによると、「佐世保バーガー」という名称はこの会社の創業者が作ったものとのこと。

価格帯としては、ファスト・フード・チェーンよりも高いが、「高級指向」というほど高くないというあたり。それでもポテトと飲み物をつけると、最低でも1,000円は超える。今回は「佐世保バーガー」というものを頼んでみた。

結果として予想通りの「ジューシー」なハンバーガー。最初から入っている甘いソースと合わさって、まるでお菓子を食べているような感じがした。個人的な位置づけは、マクドナルドの高コスト版という感じだろうか。

2010/10/08

ばんから 池袋東口店 - 脂たっぷりのこってりラーメン

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サンシャイン通りを脇に入ったところにあるラーメン店 ( 公式サイト )。いくつかの種類があって、スタンダードな「ばんからラーメン」は脂の浮いた豚骨醤油味。麺は中ぐらいの太さの縮れ麺。昔の豚骨醤油の脂強化バージョンという正統的な進化形態のような感じもする。スープは醤油が勝っているのか黒くてかなり甘く、麺にまとわりついてくる分だけでもこってりしている。たぶん脂に加えて甘いのが、私には合わないのだろう。

ここから一本池袋駅寄りの脇道にある「やすべえ」と同じく、この店にも女性客の姿が多く見られる。その意味ではこれで成功しているのだろう。ちなみにこの店は呼び込みがかなり積極的で、店員が道に出てほとんど客引きみたいに客を誘導する。

2010/10/06

シタビラメのムニエル

シタビラメのムニエル


もうちょっとおいしそうに見える写真はなかったのかと思うだろうが、これがベストのものだ。この記事のシタビラメは、身の1/4が刺身にされて3日目に食され、下半身がムニエルにされて3日目に食され、残った部分が4日目にこのようにムニエルとなった。左から頭部、背中側の身の半分のかけら(というか、5枚に下ろした場合にできるはずのパーツの一部)、そして胴体部の腹の方を上にした状態のもの。下にちょっと見えているのは付け合わせのエリンギのソテー。

塩コショウをしてしばらく寝かせた後に、小麦粉をはたく感じでつけてオリーブ油で焼き、最後にバターを入れて焦げ目と味を付ける。なんだったらレモン汁などをかけてもいいかもしれないが、 このままで十分。フライパンに残った汁は美味しいソースとなる。そのままマッシュルームとか炒めればおいしそうだ。

これがまた驚くほど美味である。ドーバー海峡の食材であるドーバーソールをはじめ、ヨーロッパ料理で使われるシタビラメは日本近海で獲れるものとはぜんぜん違う、もっと大型のものであるが、ムニエルが合うという点は共通している。他の調理法は試したことがないのでわからない。

普通、頭の部分は食べないと思うが、今回は試しにやってみた。一般論として魚の頭部はうまい。今回も、食べられる部位は小さいものの、おいしかった。身をほじくり出した後はしゃぶる感じになる。

エンガワの部分も普通は落とすと思うが、今回は面倒なのでそのまま。ここもしゃぶっておいしい。しかし、ここの部分だけ唐揚げにして食べ尽くしたいという感じもした。

背中の皮は剥いだものの、腹の側の皮はそのままで問題なし。解体を始める前に入念にうろこを落としておいた方がいい。

「シタビラメの」と来たら「ムニエル」と続く、というぐらいに、この2つの単語がセットになっているのは伊達ではないということを痛感する料理である。私がこれをおいしいと感じることも含めて、自然界の神秘を思う。

シタビラメ

シタビラメ

シタビラメ-2


カレイ目のウシノシタ科およびササウシノシタ科の魚を総称してシタビラメと呼ぶ。前者は体の左側に、後者は体の右側に目がある。この写真の魚はウシノシタ科のクロウシノシタだと思うが確信はない。「ヒラメ」という言葉が入っているがヒラメではなくカレイの仲間である。英語では舌に似ているから'tonguefish'、または靴底に似ているから'sole'と呼ばれる。

写真の魚はショウサイフグをターゲットにした外房のカットウ釣りで外道としてかかったもの。カットウ釣りは海底ぎりぎりまで仕掛けを落としてやるので、海底近くに住んでいるカレイ類はときどきかかる。それが細長ければシタビラメだ。

この魚は体が薄いし、骨がけっこうしっかりしていて身の部分はさらに薄く、刺身にするのには適していない。無理にやってみても、特に刺身で食べたいという感じのものでもなかった。もちろんこういうのはいろんな条件によって変わるので、一般化はするべきではない。あくまで外房あたりで獲れる、このていどの小さい個体の場合は、ということで。

さばくときは、下の写真のえらのあたりに包丁を入れて背骨を切り、頭を落とす。その際に、背中の側の皮をつながったまま残し、その皮を尾びれの方に向けて剥いでいく。火を通す場合には腹の側の皮は剥かなくても大丈夫だが、内臓を出すときにそこの部分は開けないといけない。

皮を食べる場合にはウロコは落としておく。食べない場合でも、神経質な人は落としておいた方がいい。背中の側の皮を食べるとおいしいかどうかは、種や生息地によって違うみたいだ。写真のシタビラメは頑丈なカレイっぽい皮を持っていて、ムニエルなどの調理法には向いていなさそうだった。

そうやって皮を剥ぎ、内臓を出したシタビラメは、たぶん1~2日ほど冷蔵庫で寝かしておいた方がおいしくなると思うが、当日すぐに食べたことがないので比較できない。5枚に下ろすほどの大きさのものを釣ったことがないので、そのまんまの状態である。

2010/10/05

ショウサイフグの干物のソテー

ショウサイフグの干物の油焼き


ショウサイフグの干物をソテーしたもの。生の身をソテーしたものと比べると、見た目からも食感の違いが想像できると思う。

干物を炒めて油を吸わせる、という調理法に私が開眼したのはごく最近のことで、まだ初期の熱中が続いているから冷静な判断ができていないのだが、ショウサイフグの干物は網焼きよりもこっちの方がおいしい。油にはニンニクの香りを移しておき、一緒にキノコなどを炒めるようにすれば、追加の調味料は不要である。この方法で調理する場合には、干物を作るときに塩分をかなり薄めにしておいた方がいい。

干して水分が抜けた身がさらに加熱されて縮み、外見はありがたみのない料理となる。外側がちょっとぱりっとした、酒のつまみとして売られる加工品みたいなものになって、ディナーの席には出しにくくなる。でもおいしい。

もちろんここまで持ってくる手間のことを考えたら、生のまま刺身で食べるのが一番正しい。これはあくまでも保存食としての干物の食べ方のバリエーションとして。

屯ちん 池袋本店 - 昔からあるとんこつラーメンの店

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池袋東口にあるとんこつラーメンの店。池袋でとんこつラーメンの選択肢がほとんどなかった頃からやっていて、当時から客が途切れない人気を保っている。看板には「東京とんこつラーメン」とあるが、これはとんこつの獣臭さがないスープだということを主張しているのだろう、と私は理解していた。獣臭くてぎとぎとのとんこつラーメンが流行った時期もあったのである。

とはいえ、いまになってここのラーメンを食べると、相対的にあっさりしていると感じられることに改めて驚いてしまう。昔はやっぱりこの「屯ちん」も脂っこいラーメンと認識していたはずなのだが、このところのラーメン・つけ麺にはこれよりもくどいものがいくらでもある。縮れ麺の「パンチ」というか噛み応えのなさも逆に新鮮に思える。昔はこっちが完全なる王道で、いま流行の太めストレート固めの麺はそんなにポピュラーではなく、そういうのが好きな私は悲しい思いをしていたものだった。

つけ麺屋 やすべえ 池袋店 - 標準的な魚介系つけ麺

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池袋東口、サンシャイン通りを脇に入ったところにある。あちこちにあるお店の池袋店 ( 公式サイト )。魚介系の味を強くしている、現時点でスタンダードという感じのつけ麺。甘酸っぱいスープに、中太のストレート麺の組み合わせ。このストレート麺はなかなかおいしくて好みだが、つけ汁が私には甘すぎる。

濃厚ではないものの、麺にしっかりとついてくるつけ汁で、その点はうまく行っていると思うから、この甘みさえなんとかなればいいと思うんだが、スープ割りをして何とかなる性質のものでもない。

とはいえ、一般論としてはレベルが高いつけ麺だと思う。ここはラーメン・つけ麺屋にしては「おしゃれ」な店構えで、女性客が多い。 しかもいまだに行列ができることがあるほどの人気店であるから、この甘めの味付けにはそれなりの成算と効果があるのだと思う。

ショウサイフグのソテー

ショウサイフグのソテー


要するにショウサイフグを油を敷いたフライパンで焼いたもの。小麦粉をまぶして焼いたムニエルと比べると、こちらの方がフグの味をそのまま楽しめてよい。

味付けは、本体には塩コショウ、油の方にニンニクでシンプルに。魚の種類によってはこれに味の強いソースを掛けた方がいいこともあるが、ショウサイフグはこのままがいい。薄く切ったエリンギなどのキノコ類を一緒に炒めると、魚のイノシン酸とキノコのグアニル酸が合わさっていい感じになる、はずだが、少なくともフグの方にはそんなに長時間フライパンに入っていないから、あまり関係ないか。

私は、刺身で食べる時期を逃した身は、鍋かこのソテーで食べることが一番多い。

ショウサイフグのムニエル

ショウサイフグのムニエル


ふと思いついてやってみたが、たぶんもうやらない。小麦粉を付けずにそのまま焼く方がおいしかったからである。

ムニエルとは、要するに塩コショウした上で小麦粉をまぶし、その小麦粉をフライパンに敷いた油で焼いて「固める」ことで、中に入っているものの味を逃さないようにする手法である。油の代わりにバターを使ってもいいし、味を付けることを目的に最後の段階でバターを投入するのもいい。

主に白身の魚でやるからフグでやっても問題ないと思ったが、インターネット上で検索をしてみてもヒットするのは主にフグの白子のムニエルで、身をムニエルにするという話はほとんど見つからない。

小麦粉を付けずに焼いたバージョンと比較すると、小麦粉やバターの味が邪魔だと感じられた。別にまずくなるわけではないものの、フグの味を上書きしちゃうのはもったいないかな、と思う。

あるいは、私の料理が下手なので、うまく作れなかっただけか。

ショウサイフグの塩焼き

ショウサイフグの塩焼き


ショウサイフグをシンプルに焼き網を使ってコンロで焼いたもの。上の2つが生のものを焼いた結果で、下の2つが干物を焼いた結果。

ショウサイフグは水分を多く含んでいる魚なので、生のままだと焼き網を使って焼くのがけっこう難しい。ペーパータオルで包んで一晩寝かすなどの方法で十分水分を抜いておいた方が安定するとは思う。あるいは表面だけに火を通すと割り切ることも可能。

干物は火を通さずにそのままかじってもいいようなものだから、軽く炙ってちょっと柔らかくし、食べやすくするというていどの感覚でいい。「魚の塩焼き」というジャンルでならば、いったん干物にしてからの方が私は好みである。

ただ、そもそもこの魚は他の調理法の方が向いているとも思う。

ショウサイフグの湯引き

ショウサイフグの湯引き


ショウサイフグは別に生臭いわけでもないから湯引きにする必要もないとは思うのだが、こうやって熱湯を使って少しだけ熱を加えることで、生のままの刺身のときほど薄く切らなくても食べられる(実際、このように小さいものだとそのまま食卓に出せる)のと、薄皮を取らなくても済むという利点がある。釣りで手に入るショウサイフグはけっこう小ぶりなことが多いため、刺身を作るのは大変。しかしこうやって熱を加えれば、手間をかけずにほぼ生の状態を保ちながら食べられる。

上の写真で黒く見えているところは薄皮の、ちょっと血のりの残った部分。厳密に言うとこれは除去した方がよいはずだが、私は気にせず食べている。

中の方まで熱が行かないようにするためには、すぐに冷水で締めるといい。鍋をやっているときにしゃぶしゃぶのように鍋への投入後すぐに引き上げてすぐに食べるようにすれば、結果は同じのはずだけれども、冷水で締めたものはその後ぶつ切りなりそぎ切りなりして皿に盛ることもできる。

鍋の感じでポン酢を付けて食べてもいいし、刺身の感じで醤油で食べるのもいい。

ただ私は、どうせならば少々手間を掛けても、歯ごたえのある生のままの刺身が好きだ。フグだけはサイズが小さくても刺身にする手間が引き合う。

2010/10/03

四季香 新館 - 予想外にも本格的なレストランっぽい味

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いちおう「四季香 新館」というタイトルにしたが、ほんとうにこれでいいのかわからない。「ぐるなび」のページに「新館開店」という語句があったので、これが「新館」なのだろうと勝手に解釈した次第。前に紹介した「四季香」の一つおいて隣のビルに同じ名前の店の看板が立っているので気になっていた。「四季香」はかなり前に入ったときには、延辺料理の洗練されていない家庭料理っぽい料理が出てきたが、それ以前に雰囲気が内向きっぽくて再訪する気は生じなかった。

が、この新しくできた店舗には、こういうポスターが貼ってある。

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最近このように、中国から優れた料理人を呼んだという触れ込みの店が増えてきた。池袋西口の昔からある中国東北料理のお店はだいたい家庭料理っぽいし、そのような店構えをしているが、このところのトレンドは2号店としてちょっと本格的なレストランを指向したお店を出すというものだ。というわけで、入ってみることにした。

ここはランチタイムに1980円と2580円の注文式の食べ放題コースをやっている。この周辺の中国料理店はものすごく安いランチ・メニューを売りにしていることが多いので、これは異色といえる。いっそ「高級指向」と言っていいぐらいだ。今回は頼める料理の種類がちょっと少ない1980円のコースにしてみた。使っている食材のコストの違いが反映されていると思われる。

東北料理っぽい料理も目につくが、四川料理も多い。前から準備してある食材を盛りつける冷菜のほかは、数種類の食材の組み合わせを使った炒め物が中心となっている。

で、あえて蒸し鶏とか宮保鶏丁とかの基本的な料理を注文してみたら、これが正統的においしかった。そもそも盛りつけがちゃんとしたレストランで修行した人のもの、という感じだ。味も、このあたりの零細中国料理店にありがちな暴力的なものではなく、上品である。そこらのレストランに行けば1,000円以上の値段はついていそうなディッシュがどんどん出てくる。

そういうわけで、このランチ・タイムの食べ放題コースはおすすめである。フカヒレとかアワビとかの高級食材はなく、普通の野菜と鶏・豚・エビなどの炒め物ばかりだが、個々の料理は間違いなくうまい。逆に言うと料理人のシフトが変わるだけで激変する可能性あり。

問題は、「ディープ」とされる池袋西口でこういうものを食べる意味はあるのか、ということだ。しかし考えてみると、日本に住んでいる中国人たちのあいだで、この種のレストランの需要は絶対あるに違いない。なお夜のアラカルトのメニューには、延辺料理っぽい羊肉の串焼きなどの料理がちゃんと載っていたが、食べ放題コースに載っている普通の料理(四川料理も含む)もたくさんあった。

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2010年11月に追記。

その後、ランチに一度、ディナーに一度行ったが、この店はやはり良い。アラカルトの料理は全体的に(このあたりの中国料理店にしては)値段が高いように見えるけれども、一皿が3~4人前分の量だった。このあたり甘く見て頼みすぎてしまったので、2人で行って残った分を持ち帰ることになった。できれば4人ぐらいで行ってあれこれ頼むのがよさそう。

現時点で、池袋で「普通の中華料理」を食べたい人を連れて行く店としては一番お勧めできる店となった。


場所: 北口の大きな駐車場に面したパチンコ屋のビルの地下1F。
住所: 東京都豊島区西池袋1-43-3 日精ビル1F(本店の住所)
電話番号: 03-5391-6990 (看板に載っていた番号)
営業時間: 昼から深夜まで。定休日なし。(本店の営業時間。新館は不明)




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